画面転送方式の種類
シンクライアントには様々な方式がありますが、画面転送方式の中から「ターミナルサービス(TS)方式」、「ブレードPC(クライアントブレード)方式」、「仮想PC方式」の3つを紹介します。
ターミナルサービス(TS)方式
ターミナルサービスを用いて、1台のサーバーを複数ユーザー(数十ユーザー)で共有する方式です。
他方式と比較して運用が楽で1ユーザーあたりのコストも一番低く抑えることが出来る反面、同一サーバー上のユーザー環境は統一されたものになります。画面転送方式の中では最も普及している方式です。
ブレードPC(クライアントブレード)方式
サーバーではなく、ユーザー毎にたくさんのPCブレードを用意した方式です。
PCブレード上にWindows XP/Vista、LinuxなどのクライアントOSとアプリケーションをインストールします。PCブレード毎にOSやアプリケーション構成を変えることが出来るので、各ユーザーに最適な環境が提供出来る反面、管理・運用は複雑になります。 また、今までPC分で済んでいたコストが、比較的高価なブレードサーバと端末になるため、全体の価格が高くなりがちです。
仮想PC方式
サーバベース方式とブレードPC方式との折衷とも言える仕組みです。
サーバ上で、 VMWare、VirtualBoxなどを使った仮想マシンを複数実行させます。物理的には1台のサーバ機が複数のPCの役目を担う形になります。
パソコンとシンクライアント(画面転送方式・ネットブート方式)の比較
方式 評価項目 | 既存PCをセキュリティツールで強化 既存PCにセキュリティ強化ツール等を追加 | 画面転送方式 端末機能をサーバーラック内に集約 | ネットブート方式 データディスクをサーバーラック内に集約 |
---|---|---|---|
既存端末の活用 | そのまま使う | 専用端末の新規購入または 既存端末の改造 | 既存端末を改造して使う場合が多い |
初期導入コスト | 強化レベル次第 | 通常のPC導入よりは高い場合が多い | 通常のPC導入よりは高い場合が多い |
管理・運用の手間 | 故障対応・障害対応、 パッチ手当て等に手間がかかる | 集約的に管理できる | PCと同程度だが省力化できるツールもある |
管理・運用コスト | 導入後の管理・運用に人件費がかさむ | WTS等を採用すれば 比較的安く抑えることが可能 | 通常のPC導入と同程度 |
セキュリティレベル | 強化レベル次第 | 高い | 通常のPCよりは高い |
システム故障率 | 故障頻度は高い | PCに比べて低い | 故障頻度は高い |
集中管理 | 出来ない (ツール導入によりある程度は可能) | システム管理者が集約管理可能 | PCと同程度だが省力化できるツールもある |
ユーザーの自由度 | ある程度高い (強化レベル次第) | ほとんどない | ある程度高い (強化レベル次第) |
省スペース性 | PCで必要なサイズ | 良い(端末は小型) ※別途サーバーが必要 | PC + ディスクスペース |
省エネ度 | △ | ○ | △ |
高い
低い